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紅茶の産地と種類

インド産の紅茶

インドは世界一の紅茶生産国であり、世界の紅茶生産の半分以上を占めています。インドの紅茶は1832年にイギリス人のロバート・ブルース大佐がアッサム原種を発見し、その後、弟のC・A・ブルースがその栽培を成功させたのがきっかけで、ブラマプトラ河流域を基盤とした紅茶栽培が展開されました。それと同じ頃中国種がヒマラヤの山岳地帯、ダージリンに植えられ、日中と夜間の気温の差が大きいこの地で、ダージリン特有の香気が生まれ、世界3大銘茶が誕生しました。

【ダージリン】
ダージリンの茶園は300mから2200mまで険しい山の斜面にびっしりと茶樹が植えられ、山も谷も見渡す限り緑の茶園が広がっています。さらに上にはヒマラヤ山脈がそびえ立つ壮大な景観です。
このような高地の影響を受けて、日中は直射日光が強くて気温が上がりますが、夜間の冷え込みは激しく、この温度差が生み出す霧が茶葉にかかり、それを太陽が乾かすという環境の中で茶が栽培され、その結果ダージリン特有の刺激的な、しかも甘いフルーティーな香りを生み出します。茶摘は4月から11月までおこなわれ、以降は休みます。

【ファーストスラッシュ】
4月上旬から摘む一番茶のこと、その年の旬の紅茶になります。摘む時期はおよそ2~3週間の間で、少量しか採れないので稀少価値が高く、珍重されます。形状はすべてOPタイプで、チップを多く含み(先端の巻き葉状態の新芽)細くよりのかかった繊細な茶葉に仕上げられます。味は快い刺激的な渋みを持ち、香りは花束(バラ、スミレ、スズランなど)やマスカットにたとえられ、フルーツの香りがします。水色は淡い橙色で、2時間近くも自然発酵させたにもかかわらず緑色っぽい(グリニッシュ)仕上がりで、これが特有の強い香りを生み出す要因でもあります。ダージリンファーストフラッシュ

【セカンドフラッシュ】
二番摘みの紅茶で、5~6月の2回目に成長した茶葉で作るものです。気温と日照に恵まれて、味や香りはファーストフラッシュよりも強く、ダージリンの最高級品が生まれるのもこのセカンドフラッシュからと言われています。「金の芽」と言われるシルバーチップを多く含み、快い刺激的な強い渋味があります。しかし渋いだけでなく、トロリとしたうま味や、やわらかい甘味もあるバランスの良い味になります。
香りはダージリンを代表するマスカットフレーバーが強く”紅茶のシャンパン”といわれています。
水色は橙色が少し強くなり、赤みを帯びて美しさを増します。

【オータムナル】
秋摘みの茶葉のことで、10~11月の最終に出たものを原料とします。強い渋味と個性のある風味は、ミルクティーとしての用途が最も多く、ヨーロッパでは人気があります。香りやや薄くなりますが、草いきれと甘さがあり、花にも似ています。水色はしっかりした深みのある赤色です。

 

インド産の紅茶【2】

【アッサム】
ブラマプトラ河流域の渓谷地帯に広がる広大な平野で、北にはヒマラヤ山脈がそびえナガヒル、アッサム高原を経て、バングラディッシュに続く、インドで一番大きな面積を誇る大紅茶地帯です。生産量はインド紅茶の3分の2を占め、世界一の生産量を誇ります。3~6月は乾季になり、6~10月は雨季、11~2月は涼しくて乾いた気候です。日照時間、気温、雨量にもほどよく恵まれたアッサムは、インド大陸でも最も茶の栽培に適した地として、アッサム・カンパニーが設立され(1839年)、茶園化が急速に進められてきました。
アッサム茶の特徴は、ゴールデンチップ(金の芽)と呼ばれる芽をたくさん含み、黒褐色でよりがよく利いて整った茶葉で、抽出するとやや黒味がかった深い赤色で、濃厚な強い渋味があります。香りはソフトで甘く新鮮なものは花束を思わせる香りが漂います。
アッサム茶は全般に色が濃く、早く抽出できて味も強く、香りはオーソドックスでソフトなため、色々な紅茶とブレンドしやすく、世界中で広く使われています。また、最近ではCTCが多く作られ、全体の80%を占めるほどに達しています。ミルクティーやチャイなどに使用されます。

●アッサムファーストフラッシュ
一番茶は2~3月から摘み始め、アッサム特有の強さに欠けますが、香りは花束のような甘さを持っています。水色は淡く、橙色系の赤色です。

●アッサムセカンドフラッシュ
4月中旬から」6月にかけて摘む、アッサムの一番良い時期のものです。ゴールデンチップが最も多く、うま味、トロミ、そして濃厚な強い渋味を出します。香りは花に似た甘い香りで、水色は橙色系のしっかりした赤色です。

サードティーやオータムナルは、7月から始まり、採集は12月いっぱいまで摘まれ、ほぼ一年を通した茶摘が可能です。特徴としては味は濃く、思い渋味があって、ミルクティーによく合います。また香りはややスモーキーさを含んだ、落ち葉のような香りで、水色は深い、濃い赤色で、むしろ黒味がかった濃さを持っています。

 【ニルギリ】
南インド、タミールナドゥ州のケララ近くの丘陵地帯に、ニルギリはあります。インドで中国種の茶樹の栽培が1835年に初めて実験的に行われましたが、その時は、2000本中、20本しか生き残りませんでした。しかしその後も中国種をメインに栽培が続けられ、ニルギリ茶が誕生しました。、味はオーソドックスで個性がなく淡白で、水色も淡く香りも少ないため、有名茶にはなりにくく、中国種以外で成功したアッサム茶の方がこの地での栽培に適していた為、現在の品種の多くはアッサム種です。風味はセイロン茶に似ていますが、やや淡白で個性が弱く、ブレンド茶としてよく使われています。
が、最近ではかなり高品質のニルギリも出回るようになりました。

 

中国産の紅茶

中国の雲南省が発祥の地といわれており、四川省、貴州省に生育します。
この茶葉が中国全土に拡大し、緑茶を主とする飲用に使われてきました。茶葉は小さく耐寒性に優れ、冬場も枯れることなく生育します。
成分はポリフェノールの含量が少なく、発酵力も弱いので紅茶としてはあまり適しません。歴史上の記録はあまりはっきりしていませんが、2000年の歴史を持つといわれ、神話の世界を含めると、5000年の歴史があるともいわれてます。
中国茶は大部分が緑茶ですが、発酵させたものや、半発酵、また微発酵など細分化された6大分類の茶があり、緑茶、紅茶、黒茶、白茶、黄茶、青茶に分かれます。
紅茶は湖南省、広東省でBOPタイプ、安徽省では良質のOPタイプが生産され、海南省ではCTC茶も作られています。味は個性的で独特な風味を持ち、強い渋味はありません。香りは蘭の花や樹の皮、落ち葉のスモーキーフレーバーを有するものもあり、変化に富んでいます。
水色は深い赤色で透明度は中程度です。生産量の90%は輸出され、国内需要はほとんどありません。

【キーマン】(KEEMUN)
安徽省南部、黄山地区で栽培される茶葉で、世界三大銘茶のひとつ。
1876年に祁門市に紅茶工場が設立され祁門の気象条件が紅茶の発酵に適したため、個性的で上質な紅茶が誕生しました。
形状はOPタイプで細くよりがしっかりした黒色です。
味は濃厚な渋味があり、甘さも持っています。香りは蘭の花やリンゴにたとえられ、フルーティーで東洋的な香りといわれています。
水色は鮮やかな深みがかった赤色で、ストレートティーでもミルクティーでも使われます。

 

スリランカ(セイロン)産の紅茶

紅茶の父といわれるスコットランドのジェームス・テーラーが1867年に古都キャンディーの街から南東に30kmのルーラコンデラの地で、アッサム種の栽培を手がけ成功させました。
これがセイロン島の南部山岳地帯を中心とした茶園開発の始まりです。
1948年にイギリスから独立したセイロンは、北海道くらいの大きさで、人口1600万人。その3分の2がシンハリ人、残りをタミール人を主とした人口構成をとっています。

一年を通じて茶摘が可能であり、山の高さによって紅茶の個性に変化が表れます。茶樹は標高400~500mくらいから栽培され、最も高いところでは1800mの高地まで開かれています。
0~600m地区をロー・グローウン(LOW GROWN/低地産)
600m~1200mをミディアム・グローウン(MEDIUM GROWN/中地産)
1200m~1800mをハイ・グローウン(HIGH GROWN/高地産)として区別しています。

ロー・グローウンの紅茶は、味として濃厚さがあり水色は深い赤色、香りは微弱で、紅茶の評価としては低級扱いを受けますが、ブレンド用に広く使われ、濃厚なボディーのためミルクティー用としても利用されます。
ミディアム・グローウンはさらに個性的な風味が強くなり、香気も草いきれを伴った爽やかさを持ちます。渋味は中程度で比較的飲みやすく、オーソドックスです。
ハイ・グローウンには世界3大銘茶に指定されたウバ茶や、香りの評価が高いヌワラエリアが属します。刺激的な快い渋味を持ち、水色はオレンジ系の赤色、香りはバラやフルーツにたとえられ、甘さとさわやかさを兼ね備えています。
形状はほとんどがBOPタイプで次いでBOPF、一部CTC茶の生産も行われ、ティーバック用として利用されています。

【ウバ(UVA)】
スリランカを代表する世界3大銘茶の一つです。南東山岳地帯で栽培され、季節風の影響を受けた8~9月の品質はクオリティーシーズンティーとして高値が付けられます。この時期のものの香りは、メンソール系のさわやかさとフルーティーな甘さを持ち、ウバ茶の最高級品になります。BOPタイプが主な製茶で、一般的には強い渋味があり、香りは花に似た甘さ、水色はオレンジ系の深い赤色です。ストレートでもミルクティーでも使用可能です。

【ヌワラエリア(NUWARA ELIYA】
標高1800mの高地を中心に作られ、昼夜の温度差が激しく、強い直射日光と多発する霧の影響で、良質の茶葉に育ちます。刺激的な快い渋味があり、すがすがしい緑っぽい香りを持っています。水色は淡い橙色系の赤色で、北東モンスーンの吹く1~2月摘みのものが、最も良質と評価されます。ストレート、ミルクどちらも可能です。

【ディンブラ(DIMBULA)】
高地で栽培される茶葉にしてはタンニンの量が少ないマイルドな紅茶に仕上がっています。バラの花に似た芳香を持ち、快い刺激があります。水色は明るいオレンジ色で、1~2月摘みのものが良品です。ストレートやミルクティーに使います。

【ディコヤ(DIKOYA)】
ディンブラ地区のすぐ近くで栽培されます。ディンブラと似た点が多く、ソフトでマイルドな風味です。香りは1~2月のものが良く、この時期の茶葉は高値になります。ストレート、ミルクどちらでも使えます。

【キャンディー(KANDY)】
古都キャンディーを中心に、その周辺の中地で栽培されています。軽くマイルドな味で、ブレンド用に広く使われ、どの紅茶ともマッチする風味です。水色は輝きのある明るい赤色で美しく、アイスティーに使っても、クリームダウンを起こしにくい茶葉です。アイスティー、バリエーションティー、ブレンド用に最適です。

【ルフナ(RUHUNA)】
標高400~500mのロー・グロウンで栽培されている紅茶です。濃厚な重い渋味を持ちややスモーキーさを感じる香りがします。水色は紫色がかった深い赤色で、この強い個性を活かしてミルクティーの使用されます。

東アフリカ産の紅茶

1900年代に入りケニアで最初に紅茶栽培が成功した事から生産が拡大され、現在はケニアを主とし、ウガンダ、タンザニア、マラウィ、モザンビークまで拡大しています。

●【ケニア(KENYA)】
東アフリカ紅茶を代表する産地で標高2000mの大高原に広がっています。ケニア産の紅茶のほとんどがCTC茶で、水色は明るい赤色、味はマイルドで渋味が少なく飲みやすさが特徴です。
香りは個性がなくオーソドックス。ストレートティーやミルクティー、アイスティー、バリエーションティーにも使用できます。

着香茶(フレーバーティー)

紅茶の茶葉に香油で着香したり、花弁を加えたり、または木の燻煙をつけたものを、着香茶(フレーバーティー)といいます。
香油の種類やブレンドにより多種にわたります。

【アールグレイ(EARL GREY)】
当初は中国のキーマン紅茶にベルガモットオイルで茶香したもので、英国グレイ伯爵が好んで飲んだといわれ、それをトワイニングが広めました。
ベルガモットはレモンに似た柑橘系の香油で、爽やかな快い芳香です。現在では中国、インド、スリランカの紅茶をブレンドして使用している場合が多く、各ブランドによって水色や風味は微妙に異なります。ストレートティーやアイスティー、またミルクティーにしても美味しく飲む事が出来ます。

【ラプサンスーチョン(LAPSANG SOUCHONG)】
中国福建省で栽培された正山小種(せいざんしょうしゅ)紅茶で、松の燻煙で着香した個性的な紅茶です。
正山とは武夷山から出た紅茶の意味を示し、小種とは「少ない」という意味です。小山(武夷山)でとれる茶葉は少量しかないというところから小種紅茶と付けられました。渋味は弱く、甘味があり、水色は橙色系の赤色。個性的な香りを活かし、スモークサーモンやチーズ、ソーセージなどや、個性的なパウンドケーキ類に合わせます。