紅茶のお話し

紅茶のお話し

植物学上の紅茶

植物学上の紅茶

原料は”茶”の木

紅茶も緑茶もウーロン茶も原料となるのは”茶”の木です。
”茶”は中国の雲南省あたり、チベット山脈の高地と、中国南東部の山地との地帯が原産地といわれ、現在、インド、スリランカを含む東南アジア地帯、台湾、中国、日本などを中心に、世界各地で栽培されてます。

茶園では、摘みやすくする為に1mほどの高さに剪定し、次々出てくる新芽を採取していますが、自然に生育するに任せておいたり、自生のものは、10m以上の高さに達する大木になります。

茶は5?8片の白い花びらを持つ花を付け、花びらの基はしっかりくっついており、雄しべは黄色い花粉を付けています。
花の芽は6月から7月にかけて形成され、早いものは8月下旬頃に開花し始め、12月までに満開になります。

茶の根は深く、繁殖に関しては容易に発根するので、挿し木、取り木で増やします。

茶は大別すると中国茶とインド茶に分かれ、葉の大きさはかなり違います。
中国茶は葉の形が小さく、葉の先はあまり尖らないのが特徴です。
中国の南部、台湾、日本でも栽培されています。
また同じ中国種でも湖北、四川、雲南などでは大葉種もあり、緑茶用に使われます。
インド茶は葉形が大きく、先端部は尖った楕円形をしており表面は淡い緑色で、繊維が粗くなっています。
インド茶の中でもやや小葉種のものは、ラオス、タイ北部、北部ビルマ、アッサムに生育し、高さ1mほどに剪定して、手摘みにしています。
ほとんどが紅茶用にされるものです。

これらの品種の特徴は、寒さに強い温帯種の中国種は緑茶として適し、熱帯種のアッサム系は寒さに弱いが、強烈な直射日光を吸収して、メラニンの含有量が多くなり、しかも発酵しやすい大型の葉なので、紅茶用として適しています。

植物学上の紅茶(2)

茶の分類

現在、世界中で飲まれている茶は、その製法によって3つに大別する事が出来ます。
日本茶(緑茶)は不発酵茶、ウーロン茶に代表される半発酵茶、そして紅茶に代表される発酵茶です。

紅茶は生葉を揉んだ後、酸素に触れさせて、りんごが空気に触れて変色するのと同じ酸化発酵をさせます。
その結果、こげ茶色から黒褐色に変わり、ブラックティーと呼ばれる茶葉になるのですが、緑茶の場合は揉むまでは同じですが、その後発酵をさせないで、すぐに蒸したり、乾燥させたりして処理し、緑色のままの茶をつくります。
ウーロン茶はちょうどこの中間の処理で紅茶になる前に発酵を中止したものです。

茶はこのような製法の違いで異なった風味になりました。
中国、アジアを中心として緑茶、ウーロン茶の文化が発達し、ヨーロッパ、アメリカ、ロシアなどではブラックティーを中心とした紅茶文化が発達しました。

それは一概に好みの違いというだけでなく、食生活、環境も含めた長い歴史の中で適応し、選択された風味といえるでしょう。

紅茶独自のグレーディング

紅茶独自のグレーディング

グレーディンぐとは茶葉の大きさに合わせ用途別に使い分けたり、ブレンドをしやすくしたり、抽出時間のばらつきを少なくするためで、日本では「グレード=等級」と呼ばれる品質の良し悪しに思われがちですが、紅茶の用語のグレードは単に茶葉の形状、大きさを示しています。

OP(オレンジペコー)
大型のフルリーフ(全葉)タイプ
P(ペコー)
やや大きめの茶葉
BP(ブロークンペコー)
ペコーを切断した茶葉で小さく平たい葉
BOP(ブロークンオレンジペコー)
本来オレンジペコーとなる茶葉を細かくしたもの
F(ファニングス)
細かい葉
D(ダスト)
粉のような葉

その他にも

その他にも

G(ゴールデン)
金色に輝く
T(ティッピー)
新芽の多い
F(フラワリー)
花のような
S(スペシャル)
すばらしい

などの形容詞が慣用的な順列で付加されることもあります。

また大きい葉は高級品、小さい葉は低級品とはいえず、茶葉の大きさと形状を現す言葉としての意味しかありません。

したがって、うまく仕上げられた荒茶からふるい分けられた各グレードは、それぞれが高く評価されます。

さらに紅茶の良し悪しは最終的には、いれてみなければわからないものなので、紅茶の品質鑑定では、必ず抽出液での官能審査が行われます。